色彩検定

色鮮やかな生活

色彩はセンスよりも「理論」

Webデザイナーの仕事をしていると、色選びに頭を悩ませることが結構あります。
僕はこの仕事をするまで、色選びはセンスの問題だと思っていました。だから色選びが下手なのはもうどうしようもないんだ…みたいな。ある日そんな考えを上司にぽろっと漏らしたところ、しこたま怒られたんです。上司曰く、「色彩はセンスよりも『理論』だ」と。

その時はよくわからなかったので、はぁ…とか言ってごまかしたんですが、その時に上司に勧められたのが色彩検定でした。ちょうどいろんな資格を取りたいと思っていた時期だったので、気になって試しに勉強してみたところ、色の奥深さと上司の言葉の意味がわかるようになりました。

色彩検定とは

色彩検定とは、文部科学省が後援している色に関する知識を問う検定試験です。
色についての基礎知識や配色技法、利用方法などの問題が出題され、デザイナーだけでなく様々な職種の人たちに人気があるようです。高校生の受験者もいるみたいですね。
難易度は1~3級に分かれていて、実務に活かしたいなら2級以上が目安です。ちなみに僕は2級に合格していて、今は1級も挑戦しようかと思っています。2018年にはこの1~3級とは別に、ユニバーサルデザインに関する知識が必要なUC級というものが新設されました。Webデザインにおいてもユニバーサルデザインは注目されているので、こちらもチャレンジしてみようかなと思っています。

試験は6月と11月(1級2次試験は12月)の年2回行われています(1級は冬だけです)。試験は公式テキストからしか出ないので、テキストを買って丸暗記するのが基本的な勉強方法ですね。ちなみに勉強を進めるためにはテキストとは別売りの「新配色カード」が必要です。買い忘れないように。

色の理論とWebデザイン

標識なんかでよく見かける黒と黄色の配色は、どうしてあの色なのかわかりますか?
人間は、黄色と赤色を本能的に「危険だ」と判断するようにできています。特に黄色は明るい場所でも見やすく、黒と組み合わせるとさらに目立つことから黒と黄色の組み合わせが「警戒色」と呼ばれているわけです。
このように、色の印象は人間の中に刷り込まれています。本能的なものはもちろん、生活していく中での経験からもそういった感覚が蓄積されていくのです。

この人間が共通して持っている感覚を知り、それを利用して適切な配色をする――これが上司が言う「理論」だったのです。色彩検定の勉強を始める前はノリと勢いで色を決めて、めちゃくちゃダメ出しをされても何がダメなのかもよくわからなかったのですが、今では「なぜこの色にするのか」を考えて配色することでかなりいい感じになりました。
家族曰く、服のセンスも良くなったとか?僕自身はあまり実感がありませんが…。